一般向けゲノムビジネスの件

アメリカなどではDTCゲノム検査とか言ったりするみたいですけど。病院での、患者さんの治療目的ではなく、一般のかたが「調べたい!」と思った時、お金を払って自分のDNAを検査してもらうっていう商売についての話です。

はてぶの「お気に入り」を見ていたら(最近すっかりホッテントリが見づらくなって、こっちばかり見ています)、以下の記事が出ていたので、

http://www.yomiuri.co.jp/job/entrepreneurship/watanabe/20130116-OYT8T00180.htm

いちおう私の知る限りのこの分野の会社たちの現況を軽く書いてしまおう。少なくとも私が長く知る3つの会社があります。経済とか起業とかまったくわかりまへん。以下の書き込みもテキトーなのであまり信用しなくていいです。風評被害で訴えるとかやめて下さい。

23andMe

上記記事にもあるように、ゴシップ的にはGoogle創業者の奥さんがやってるってとこが一番話題の会社です。この会社群の中では一番順調みたいです。

ちなみに現在の実験基盤はイルミナ社のOmni Expressだと公表されています。そのスジの人(DNA系の研究者)向けに言うと、全ゲノムシークエンスではなくSNPだということです。

deCODEme(サービス終了)

アイスランド全国民のゲノムデータを蓄積する権利を持っている*1会社deCODEのサービスです。3巨頭の中では唯一日本語版サービスを持っています・・・いました。この会社も、イルミナ社のチップを使っているようでした。

ごく最近ですが、アムジェンに本体のdeCODEが買収されてしまいました。それで、多分deCODEmeは終了すると言われています・・・って思って検索したらすでに終了してました(http://www.decodeme.com)。

ところで、この会社に限っては、これまでビジネスで集めたゲノム情報のみならず、アイスランド国民のゲノム情報も、アメリカの会社が持つことになったわけですけどそういうのはいいんですかね。

Navigenics(サービス終了)

三社の中では唯一、アフィメトリクス社のチップを使っていると噂されていた会社です。少し精度が(ゴホン)なチップです。

どうしてるかな〜と思って調べてみたら、ライフ社に買収されてしまっていました(犬のごはん おすすめのドッグフード徹底比較)。サービスもとうに終了してるようです。

結論

わたしが以前知っていた3社のうち2社がサービス終了し、23andMeが残るだけです。成長著しい産業!・・・っていえるかはちょっと。23andMeにしても、Googleの奥さんがやってるってこと以外に、強力に存在し続けてる理由は、自分としてはわからないです。まあGoogleが後援して安値をつけすぎて、同業他社がみんな押しつぶされたって面はあるかもしれません。

ちなみにYahoo! Japanが今販売してる同じような商品は、独立した日本の会社のやつで、これもイルミナ社のチップだったと思います。

これらのサービスを利用しようという方は、これらは会社であり、買収されちゃったdeCODEの件のように、どっかに買収されちゃった時に自分が前に検査したデータがそこに使われてしまうかもしれないってことくらいは念頭に置いてから使用されるのがいいと思います(契約とかはあるとは思いますけど)。「究極の個人情報」なので。。。

ちなみにこういった会社、遺伝学者のあいだではわりと憎まれています。

*1:そう私は思っていたんですが、そうじゃなかったみたいです。参照:http://blogs.law.stanford.edu/lawandbiosciences/2012/12/13/amgen-buys-decode-reflections-backwards-forwards-and-on-dtc-genomics/