環境省による福島原発被曝のゲノムへの影響の調査について(続き)

コメントしていただいた方にはコメントで対応させていただきましたが、ブコメしていただいた方への反応を少し。記法をどう使えばいいのかよくわかってないんですけど。敬称略で失礼します。→うまくいかなかったので書き直しました(どうなるのかわかりませんがメンション2回飛んでいたらすいません)。

専門家からの解説。叩かれてしまったあのプロジェクトの意義を捉えた場合の解釈など。解析の方向性やそれに明確な意味があるのなら、なおさら中途半端な出し方は混乱するだけだったと感じるなぁ。
id:complex_cat さん

こういう感じならできないこともないなというのを提案しただけで、そういうふうに考えてるかどうかはわかりません。混乱するというのはもちろん同意です。というか、続報(http://mainichi.jp/select/news/20120907k0000m040028000c.html)を見る限り、彼ら何も考えてないかも。この続報に書いてあることが確かなら、このプロジェクトからはなんもわかりません。その被爆後に出生した子供世代を調べるに至らない限り。しかもそれでわかるのは遺伝的影響だけで癌化については何もわからない、と、まあ結局のところみなさんが批判していた通りの展開になってしまった感じです。困ったね。

というか計画内容が東北メガと酷似している(三世代ゲノムという観点から)点も気になります。厚労省怒ってたりしないのかな。(一部削除)

白血球由来のゲノムはgermlineを代表すると考えられるので、それと体細胞由来ゲノムを比較すれば新たに獲得した変異がわかる、とのこと。de novo変異を検出するのに必ずしも親子の比較をしなくても良いということか。
id:akirahs さん

de novo変異っていうのは一般にはgermlineに入った変異のことなので、やはりde novoを調べるためには親子比較しないといけないですね。

変異って集団でやったら100mSvってベースラインの変動幅の中で埋もれちゃうんじゃないかと思うんだ。倍加線量で数百Gy〜1Gyみたいだし。個人なら、宇宙飛行士100mSvの前後でDic増が観察できたというのは聞いたことがある。
id:mobanama  さん

まそれは結局のところ入ってくる変異数とサンプルサイズによるというところだと思いますけど。どれだけの変異が入るものですかね。de novoの変異率ですら、次世代シーケンサーが始まってから推定値の修正が始まってるくらいなので、これまでの研究だけではわかりきっているとは言えないんじゃないかな、だからこそ調べるべきではと思います。単純に言えば2000年ころまでの遺伝的研究の解像度から考えて今は30万倍くらい正確になってるはずなわけなので・・・

これいったいなにを比較したいのかよく分からないのよね〜。造血幹細胞だってNHEJが弱くて変異蓄積しやすいわけだからなにを見たいのか。生殖幹細胞取ってきて次世代への影響を見るというならそれは凄いけどできるか
id:POPOT さん

「血液中白血球のゲノム」を見るとき、造血幹細胞のゲノムを見ているわけではないって言うことは、前回コメ欄からおわかりいただけますかね。

これは冒頭に挙げた続報への批判と重なります。血液中ゲノムはgermlineの代表なので、造血幹細胞に入った変異すらわからないはずです。白血病患者の血液からですら、何も考えずザーッとシークエンスするなら、そんなにはおかしくないゲノム配列が得られたりするんですよ(まあある程度おかしいけど)。