「ラウンダバウト(ロン・ポワン)」について

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130223-OYT1T00652.htmについて

round about、フランスではrond point(ロン・ポワン)。自分の経験について少しメモしてみます。ラウンダバウト議論はほとんどイギリスを参考にしてるっぽい(そもそも名前からしてそうか)ので、フランスの話はちょっと見当違いかもしれないけど。。。

田舎では

  • 欧州の田舎では、一般道を100km/hオーバーで走る車がいるので、適切な間隔で配置されたロン・ポワンは速度抑制に役立っているっぽい。
    • 信号だと加減速が過剰になってしまいそう。
    • では、そんな速度で走らない日本での有用性は?とは思う。
  • 90km/h(法定速度)から急減速し、10Rくらい?のロン・ポワンを同乗者に迷惑かけずに走り切るにはマニュアル車でないと厳しい気がする。日本と違って欧州はマニュアル車だらけである。
  • 信号で止まらず走り続けられるというのはストレスは少ないかも。
    • 危険性に関して言うと、特に大きめのロン・ポワンがあるような道の場合、歩行者はそもそもいない。
    • 村などに入って歩行者がいるようになると、やはり信号が出現したり、また最近では速度表示警告付きのオービスがどんどん設置されてる。

都会(パリ)では

  • 田舎はほとんどがロン・ポワンで信号が数えるほどだが、逆にパリにはそんなに多くはなく、やはり田舎型の交通状況に適していることを反映しているのでは。
  • 信号と組み合わされたロン・ポワンも稀ではない。この場合「どの信号を見ればいいの?」は、初期にはわりとむずかしい。
  • これは各国違うだろうが、フランスではロン・ポワンの交通上暗黙のルールがあり、それは「絶対的な左優先(日本で言う右)」。ま、そうじゃないと出れなくなるから、5〜6車線ロン・ポワンの凱旋門とか。
    • 普段の道路では「右優先」なので、ロン・ポワン内でルールを入れ替えていることになる。
    • 車は右(日本で言う左)側からロン・ポワンに進入することになるので、つまり進入側が待つことになるということで、読売紙でも「過去の日本のロータリーとの違い」として紹介されたルールと同じものだと思います。
    • こちらのページにもあるけれど、法律とは関係なく、そこの住民が完全に同意する暗黙のルールがない限り、ロン・ポワン的な構造は維持が難しいのではないかと思う。
    • というわけで、事故ったら右の車が必ず立場が悪くなる
    • ただし、凱旋門の巨大ロン・ポワンだけは例外扱いで、責任関係立証不可能とみなされ、どんな場合でも50:50の過失割合になるそうである(経験者談・・・僕じゃないよ!)。
    • 自信がないので外周をぐるぐる周る・・・はルール違反らしく、怒られる。侵入してから出口までの距離が遠いなら、内側に入る。マナー問題に過ぎないけど。
  • わりと大きなスペースに設置され、かつ交通量がそれほど多くない場合、ロン・ポワンの外周に沿って路面駐車場が設置してあることもある。駐車後出発する際に行き先を自由に決められるというのは便利
  • 歩行者は、ロン・ポワンは大回りして向こうに行かなければならず、単純にめんどうである。
    • 歩道橋は見たことない。
    • 交通量が少ない時は、歩行者は余裕でロン・ポワンを横断する。フランスは、絶対的な「歩行者優先」。たとえどんなに車側がルールを守っていて、歩行者がルールを破っていても、それでも歩行者優先。これもロン・ポワンを使用するとしたら重要なこととは思う
  • ちなみにフランスを含め欧州では、日本と比べ車は赤信号を厳密に遵守する。それどころか黄色でも大体の車は止まる。かなりの急ブレーキをかけてでも止まる。あの適当で怠惰なフランス人なのに!
    • どうもその理由は、少なくともフランスでは、速度超過や駐車違反は単にお金払えばいいが、信号無視についてはかなり厳しくて出頭しなければならなくなるから、らしい。
    • ロン・ポワンが好まれる理由の一つにそれもあるかも。日本も信号無視もっと厳しくして、ロン・ポワンどんどん入れる、というのはアリかも

感想

慣れてみると、特に田舎道でのロン・ポワンは大変気持ちいいです。都会には、なくていいです。